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世界初 パームヤシ油入154kV 200MVA導油風冷式変圧器を出荷

2026年04月14日

 株式会社明電舎(以下、明電舎)は、環境に優しい植物由来エステルであるパームヤシ脂肪酸エステル(以下パームヤシ油※1)を絶縁油に採用した「154kV 200MVA導油風冷式※2変圧器」(以下、本製品)を開発しました。本製品は154kV級200MVAクラスにおいて、パームヤシ油を絶縁冷却媒体に採用した世界初の変圧器(当社調べ)です。
 各種性能試験を完了し、4月11日に東京電力パワーグリッド株式会社の変電所へ本製品を出荷しました。

パームヤシ油入 154kV 200MVA導油風冷式変圧器

 明電舎はこれまで、パームヤシ油入変圧器のほか、菜種油入変圧器、大豆油入変圧器、合成エステル油入変圧器を製品ラインアップとして展開してきました。JIS C 2390生分解性電気絶縁油※3に規定される、植物由来エステル、天然エステル(植物油)、合成エステルの3種すべてをカバーしています。
 パームヤシ油はこれまで、主に比較的小容量の配電用変圧器※4クラスでの採用が中心でしたが、本製品では導油式変圧器への適用にあたり、流動帯電特性※5についても測定・解析評価を実施しました。ユニットクーラを用いた導油風冷式の154kV 200MVAクラスの送電用変圧器への適用に、世界で初めて成功しました。これにより、植物油変圧器の適用範囲が導油式まで広がり、国内外の電力インフラにおける環境対応製品の普及に向けた重要な一歩となります。

本製品の特長

①低損失設計と脱炭素化への貢献
低損失設計により、変圧器運用期間中の電力損失を大幅に抑制。植物由来エステル採用(脱鉱油)と組み合わせることで大幅なCO₂排出量の削減に貢献し、電力設備全体の脱炭素化に寄与します。

②高い生分解性による環境への配慮
生分解性に優れたパームヤシ油を使用することで、万一の漏油時における環境負荷の低減が期待できます。

③流動帯電の抑制
パームヤシ油は鉱油と比べて帯電しにくい特性を有しており、流動帯電現象の抑制に寄与します。

④環境対応とコンパクトな冷却装置設計との両立
パームヤシ油は鉱油よりも低粘度であるため、鉱油使用時と同等以下の揚程の送油ポンプで、必要な冷却性能を確保できます。これにより、鉱油入変圧器と同等の冷却装置を採用することが可能となります。

 
 明電舎は今後も、環境性能・安全性・信頼性の向上を追求し、持続可能な社会の実現に貢献するソリューションを提供するとともに、植物由来エステル変圧器のさらなる高電圧化・大容量化にも取り組み、国内外の電力インフラ事業者のニーズに応えてまいります。

以 上

参考リリース

2023年6月29日 
~サステナブルな社会の実現を目指して~ エステル油入変圧器の製品ラインアップを拡充
https://www.meidensha.co.jp/news/news_03/news_03_01/1243664_10499.html



※1 パーム油(油脂)は生産性が高く年間を通じて収穫できることから生産量が年々増加している一方、生産拡大に伴う人権・労働問題や環境問題が指摘されています。当社は、事業が持続可能な開発に与えるリスクを認識し、これらの問題の解決に向けた取組みを支持・推進している調達パートナーからパームヤシ脂肪酸エステルを調達する方針としています。

※2 送油ポンプを用いて絶縁油を巻線内部に循環させ、ファンにより絶縁油を冷却する方式です。

※3 JIS C 2390:2019生分解性電気絶縁油の規格群は、第1部:合成エステル(JIS C 2390-1:2019)、第2部:天然エステル(植物油)(JIS C 2390-2:2019)、第3部:植物由来エステル(JIS C 2390-3:2019)で構成されています。

※4 高い電圧の電力を、工場やビルなどで使用できる電圧に下げて供給する容量20MVA程度の変圧器です。

※5 絶縁油や燃料などの液体が配管内を流れる際、管壁との接触・摩擦により電荷が分離し、静電気が発生・蓄積する現象。液体が速く流れるほど、また導電率が低いほど帯電しやすく、油圧機器や変圧器、燃料輸送パイプでの静電気火災・絶縁破壊の原因となります。

本件及び取材に関するお問い合わせ先

株式会社 明電舎  
コーポレートコミュニケーション推進部  広報・IR課
電話 03-6420-8100