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リチウムイオン電池用交直変換装置(PCS)の開発を完了

2023年03月13日

株式会社明電舎(代表取締役 執行役員社長:三井田 健/東京都品川区、以下 明電舎)は、再生可能エネルギーの普及拡大を背景に、電力系統の安定化に寄与する新型のリチウムイオン電池用PCSを開発し、本年2月から販売を開始しました。

リチウムイオン電池用交直変換装置(PCS)

【開発の背景】
当社は、大型蓄電システム用PCSメーカとして1996年から現在まで約140サイトにおいて多種多様なメーカの蓄電池と組み合わせた豊富な運用実績があり、設計からメンテナンスまでトータルでのシステム提供の体制を整えています。
社会の脱炭素化に向けた再生可能エネルギーの普及には、電力系統安定化のために周波数制御や需給バランスの維持が課題となります。一般送配電事業者が電力受給の調整を行うために2021年4月に創設された需給調整市場では、再生可能エネルギーの出力変動等に対応する取引メニューとして、2021年度から「三次調整力②(応動時間45分以内)」、2022年度から「三次調整力①(応動時間15分以内)」の取引が開始されています。加えて、2024年度からは応動時間10秒以内となる「一次調整力」の取引も始まる予定であり、調整力としての蓄電システムにも高い技術要件が求められます。
今回当社が開発したリチウムイオン電池用PCSは、事業者が所有する外部システムとの連動の下で、需給調整市場のシステムに適応するための機能を実装しています。また、BCP対策として使用できる停電時の自立運転機能や、自家消費型太陽光発電システムとの併設導入などにより、需要家への蓄電システムの普及を通じた社会の脱炭素化に貢献いたします。

【当社リチウムイオン電池用PCSの特長】

■外部指令に基づく充放電に対応
需給調整市場での調整力として使用する場合に、外部の制御システムからの充放電指令に基づいて電池を充放電制御します。また、一次調整力の要件となるPCS出力端の変動に対して充放電をする自端制御にも対応予定です。

■PCS・制御部・受電部・連系変圧器(6.6kV)をワンパッケージで構成
PCS定格容量は700kVA~2100kVAです。6.6kV受変電部も一体となっており、蓄電所等の高圧配電線系統への接続が容易です。

■需要家で活躍する機能の充実
・BCP対策機能:停電時の自立運転機能
系統事故等による停電が発生しても、蓄電システムに蓄えた電気をBCP負荷(保安用設備等)へ供給し、需要家の事業継続性の向上に寄与します。

・スケジュール運転機能:蓄電池用EMSによる負荷平準化,電池SOC(充電率)管理
蓄電池用EMSで充放電パターンを設定し、電池のSOC管理を行いながら負荷平準運転等の常時運用を自動で行います。

・太陽光発電の余剰電力充電機能
自家消費型太陽光発電を設置する需要家において、土日・祝日等に電力需要が減少し系統への逆潮流が発生する際には余剰電力を蓄電池に充電し、平日のピークカットやBCP時の電力として使用できます。

■VSG機能
現在、VSG機能※を搭載した新機種も開発中です。VSG機能は再生可能エネルギーの主力電源化に寄与する技術です。離島やマイクログリッド、および将来の電力系統において再生可能エネルギー電源の比率が高まると火力発電等の同期発電機が減るため、電力系統の安定性が低下し、供給支障に至る可能性があります。これに対して、蓄電PCSに疑似慣性力を持たせて系統の慣性を補うことにより、安定性・柔軟性の高い電源系統の実現が可能となります。本装置への同機能の実装は、2025年度を予定しています。

当社は、環境負荷の低減、低炭素・脱炭素の実現に向けた市場ニーズに的確に応える製品・システムで、より豊かな未来社会の実現に貢献していきます。

以 上

※VSG機能:Virtual Synchronous Generator(仮想同期発電機)の略。同期発電機の特性である慣性力を疑似的にPCSに実装させる技術。
東京電力パワーグリッド株式会社様と共同にて開発。

本件及び取材に関するお問い合わせ先

株式会社 明電舎  コーポレートコミュニケーション推進部 広報・IR課
電話 03-6420-8100