自動車試験の効率化、開発期間の短縮に寄与
~遠隔監視アプリ「Labo Tracker」を開発~
株式会社明電舎(以下、明電舎)は、路上走行時の状態を再現し、4輪車の各種性能を高精度に評価できる「シャシダイナモメータ」と連動した遠隔監視アプリケーション「Labo Tracker(ラボトラッカー)」を開発しました。パソコンや手元のスマートフォンから試験設備の稼働状況、計測データ、故障情報などをリアルタイムで確認でき、試験状況の可視化による効率的な設備運用や開発期間の短縮に寄与します。今後は本製品の改良を進め、2026年度中の販売を目指します。
明電舎で開発した「Labo Tracker」の画面
開発の背景
自動車業界では近年、開発サイクルの短縮化と品質管理の両面が求められており、試験においても設備の稼働率を最大限に高めつつ、開発スピード向上を実現するシステムのニーズが高まっています。試験データの透明性確保は品質不正防止にも寄与するものであり、「Labo Tracker」はこれらの課題を包括的に解決するソリューションとして開発されました。既に大手自動車メーカーに試験導入いただいています。
Labo Trackerの主な特徴
①開発期間の短縮
試験条件や進捗について都度アプリ内で把握でき、効率的な試験室の運用をサポート。設備の稼働率を高めることで、短期間での開発に寄与します。
②多様な設備との連携性
IoT機器で広く採用されているMQTTプロトコル※1を実装し、明電舎製だけでなく他社の試験設備も一元的に監視・管理することができます。
③シームレスな導入と運用
基本コンセプトは「導入前より作業手順を増やさない」設計。MEIDACS※2などの既存システムから計測値や故障情報の取得が可能なため、現場の負担を増やすことなく導入できます。
④いつでもどこでもアクセス可能
ブラウザベースのインターフェースを採用し、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット端末からもアクセス可能です。これにより試験担当者、設備管理者は場所を選ばず設備状況をリアルタイムで確認でき、迅速な対応が実現します。
明電舎では自動車の試験および検査工程における透明化を通じ、お客様への「安心」を提供するとともに、自動車産業の品質向上と開発効率化に貢献してまいります。
以 上
※1:MQTT (Message Queuing Telemetry Transport) はスペックの低いデバイスでも動作する軽量な通信を実現するプロトコルで、ネットワークの帯域幅が限られている環境においても通信が可能になります。
※2:自動車のエンジン性能や排ガス試験などを行う明電舎製の操作計測システム
https://www.meidensha.co.jp/products/automobile/prod_01/prod_01_04/prod_01_04_02/
試験システム シャシダイナモメータシステム
https://www.meidensha.co.jp/products/automobile/prod_01/prod_01_02/prod_01_02_03/
本件及び取材に関するお問い合わせ先
株式会社 明電舎
コーポレートコミュニケーション推進部 広報・IR課
電話 03-6420-8100