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AI を活用した水力発電所運転計画支援システム実証事業を開始
~ダム流入量予測モデルを構築して水力発電所のスマート保安に貢献~

2021年09月14日

株式会社明電舎(取締役社長:三井田 健/東京都品川区、以下明電舎)は、このたび、長野県企業局が公募した「令和3年度 AI を活用した水力発電所運転計画支援システム実証事業」(以下本事業)にて、委託先として選定されましたのでお知らせいたします。
本事業において、明電舎はダム流入量予測モデルと発電所運転計画支援システムの構築を行います。期間は今年8月から2022年2月末までとなります。

長野県企業局は、今年4月にスマート化推進センターを創設し、発電施設の集中制御とスマート化を推進しています。水力発電所では、気候変動の影響による水災害が激甚・頻発化することなどを背景に、ダムの正確な流入予測に基づく運転計画の作成が求められています。これまで、運転計画は熟練作業員の判断や経験に基づいて作成されていましたが、気象予報の精度が向上したこととAIによる流入予測が実用レベルになりつつあることから、スマート保安推進の一環として、これらを活用した運転計画支援システム導入の可能性を検証するために本事業を実施しています。

■事業内容
①ダム流入量予測モデルの構築
これまでは現場作業員が気象予報や経験からダムの水位を調整していましたが、ダム流入量予測モデルでは、過去の気象情報やダム流入量を学習し、気象予報からAIがダム流入量(現在時刻より72時間以上先まで)を高精度に予測します。AIによる学習のみで予測モデルを構築するため汎用性が高いのが特長です。

②発電所運転計画支援システムの構築
AIが予測した流入量に基づき最適な発電計画を作成します。ダムの発電特性、水位・水量変化の特性、発電機やダム運用の制約条件を考慮しながら、発電計画を自動立案するため、現場作業員の負担を軽減できます。また、これらの特性と制約条件を定式化することで、発電所の運用制約を満たしつつ発電電力量を最大化することができるため、従来の発電計画に比べて収益性の向上が期待できます。 





明電舎は今後も、最適な水力発電所運転を支援する製品・サービスの提供によりスマート保安を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

本件及び取材に関するお問い合わせ先

株式会社 明電舎  コーポレートコミュニケーション推進部 広報・IR課
電話 03-6420-8100


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