製品・サービス

「スマート保安」の実現に向けた沼津事業所内特高変電所IoT化のPoC実施

2021年09月02日

株式会社明電舎(取締役社長:三井田 健/東京都品川区、以下明電舎)は、スマート保安※1の実現に向けた取組みとして、屋外特高変電所へ再構築している沼津事業所内にある特高変電所にて、変電所を構成する変電機器をIoT化し、特高変電所全体をリモート監視するPoC(概念実証試験)を8月より開始しました。

明電舎が納入してきた多くの受変電設備は、設備の高経年化、熟練技術者の高齢化や退職に起因する長期的な人材不足、災害の激甚化やテロリスクへの対応が求められています。さらに新型コロナウイルス等の感染症リスク下においても設備を安定して稼働させることは人々の安心・安全な生活のために極めて重要です。これらの課題を解決するために、IoTやAIなど新しい技術を活用し、設備の状態データを常に収集・監視する手法が広く採用されるようになってきました。

このたび運用を開始した沼津事業所の新特高変電所は、主要設備の維持・管理に必要なデータを常時収集することを実現した明電舎初の実運用設備です。この実証環境を活用した以下の取組みにより、明電舎製品のスマート保安対応を加速させます。

①クラウド、IoT、AI技術を採用したデータの自動収集と解析
変圧器、C-GIS(キュービクル形ガス絶縁開閉装置)、高圧盤、所内変圧器盤から必要なデータ(メータ指示値、装置の入り/切り表示等)を収集し、クラウドへ常時蓄積します。帳票作成や異常発生時のメール発報、グラフによる傾向分析などの機能について、サービス提供を目指します。

②点検業務省力化の検証
複数のカメラやセンサーが収集したデータを活用して、点検業務に必要な一年間の作業量を9割削減※2できるようサービス設計を行いました。今後、この実証環境を活用して、日常点検や定期点検におけるシステムの有効性や業務省力化の効果を評価します。

③テストベッドによる次世代製品の開発
収集したデータを活用した設備状態診断機能などの実証実験を行い、その結果を明電舎が提供する製品・サービスに反映していく予定です。


特高変圧器に設置された油温計用カメラ


高圧盤内に設置されたVCB入/切撮影用カメラ


タブレットでの点検業務


監視画面


今後も明電グループは、スマート保安による安心・安全の提供と業務効率化の実現に貢献してまいります。


※1 スマート保安に関して
官民が連携をして、IoT や AI など安全性と効率性を高める新技術の導入等により産業保安における安全性と効率性を追求する主体的・挑戦的な取組のことです。経済産業省は、スマート保安推進に向けた取組として、「スマート保安官民協議会」を設置しています。

※2 9割削減に関して
本システムを導入することにより、これまで目視で実施していた点検項目のうち、83%の項目を自動収集します。また、設備の状態を常時監視することにより、週次で実施していた点検を月次点検に変更します。これらに加えて、点検帳票の自動作成などの効果により、これまで点検業務にかかっていた工数の9割削減を見込んでいます。
 

本件及び取材に関するお問い合わせ先

株式会社 明電舎  コーポレートコミュニケーション推進部 広報・IR課
電話 03-6420-8100


「スマート保安」の実現に向けた沼津事業所内特高変電所IoT化のPoC実施(PDF:714KB)