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新形6 kV固体絶縁開閉装置(スマートSIS)の開発を完了し、
初号機を納入しました

2020年03月31日

株式会社明電舎(取締役社長 三井田 健/東京都品川区、以下明電舎)は、新形6 kV固体絶縁開閉装置※1(以下、スマートSIS)の開発を完了し、初号機を2020年3月に東京電力パワーグリッド株式会社(代表取締役社長 金子 禎則/東京都千代田区、以下東京電力パワーグリッド)へ納入しました。本製品は、主に電力会社の配電用変電所で運用され、6kV配電線の電力供給及び事故時の迅速復旧の役割を担っています。

現在国内の電力会社では、1980年代に多数納入された固体絶縁方式の開閉装置(以下従来器)が使用開始から40年ほど経過しており、絶縁物の経年による不具合や架台の発錆、腐食が進み、一部の機器では更新が必要な時期を迎えています。一方で、少人数体制で設備管理できるよう、IoT技術を適用した設備診断機能も求められています。

明電舎はこれらのニーズに対応するため、2017年から3年間で、従来器から価格を低減させた※2スマートSISを開発しました※3。


スマートSISの特長

1.仕様緩和に合わせた構造最適化
⇒明電舎製従来器と比較して、仕様緩和により、操作エネルギーの低減に伴う操作機構部の小型化及び簡素化、更には可動部の断路距離縮小化や真空バルブの小型化を実現した。
また、従来器では別盤配置としていた保護制御装置をSIS本体と一体配置とすることで低コスト化を実現した。

2.IoTによる機器状態の常時監視
⇒スマートSISでは盤内や保護制御装置に各種センサーを実装し、計測情報を用いた機器状態の常時監視機能を搭載した。本機能の搭載により、お客様の定期的な現場巡視・点検作業が削減でき、保守の省力化と適切な点検時期の判断が可能となった。

3.国際標準規格 IEC61850の適用
⇒スマートSISと上位の遠方監視制御装置(TC)間の情報通信に、国際標準規格のIEC61850に準じたデジタル伝送を適用した。明電舎製従来器ではTCとの接続に多数の制御ケーブルを使用していたが、スマートSISでは光ケーブルに1本化することで、現地でのケーブル敷設作業及び確認試験時間が大幅に短縮した。また、IEC61850の適用により他社TCとの接続も可能となった。

明電舎のスマートSISは、各電力会社が使用している更新対象のSISに対しても製品展開を目指し、今後さらに見込まれる設備更新、部分更新需要に対応してまいります。

※1固体絶縁開閉装置(SIS):高圧充電部の全てをエポキシモールドで絶縁し、表面を接地層でおおった完全固体絶縁方式を採用したもの(Solid Insulated Switchgearの略)。
※2明電舎製品比較
※3本製品仕様は、従来器より仕様緩和された東京電力パワーグリッドのRFP(提案依頼書)に基づいたもの。

スマートSIS外観写真


 

本件及び取材に関するお問い合わせ先

株式会社 明電舎  広報・IR部 広報課
電話 03-6420-8100

新形6Kv固体絶縁開閉装置(スマートSIS)の開発を完了し、初号機を納入しました(PDF:764KB)