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電動車両向けモーター・インバーター・ギア 一体型新製品
「MEIDEN e-Axle」を広州モーターショーに出展します

2019年10月23日

株式会社明電舎(取締役社長 三井田 健/東京都品川区、以下明電舎)は、電動車両向け新製品MEIDEN e-Axle(メイデンイーアクスル、以下本製品)の試作機製作、基本動作評価を完了したため広州モーターショーに出展します。展示会への出展は今回が初めてです。
本製品は、電動車両の駆動で必要とされるモーター、インバーター、ギア(減速機)の一体型機であり、明電舎として初めて製品化します。お客様の開発期間短縮に寄与し、カスタマイズ製品と比べ低コストで導入できる標準製品です。最大出力は150kW、最大ドライブシャフトトルクは3120Nmで、明電舎の従来製品と比べ出力密度を約60%向上(減速機除く)させました。

本製品の特長は、小型・軽量・高出力です。重量は業界トップクラスの78kgです。
本製品を使用することにより、高速での連続走行や継続登坂能力のある電動車両を作ることが可能です。小型・軽量・高出力を実現するために工夫した点は以下の通りです。

1.モーターの銅線に平角線を採用
モーター内部に使用する銅線は、従来、丸線と呼ばれる丸型断面の銅線を使用していましたが、平角線と呼ばれる角型断面の銅線を使用しました。スロット※1に銅線を隙間なく配置できるため、高密度になり小型化を実現しました。銅線とモータコアの接触面積が増加するのでモータコアに熱が逃げやすくなり、モーターの冷却能力が向上します。なお、銅線のスロットの占積率は当社従来モーター(丸線)比で40%向上しました。
2.インバーターの配置の最適化による薄型化
インバーターの配置を工夫(アキシャル配置の採用)したことで、クラストップレベルの薄型(高さ280mm)を実現しました。車両の低重心化による操縦安定性の向上に寄与し、自動車構造上狭いとされるリア部分に使用した際も、荷室の低床化ができ、3 列シート車にも搭載可能です。(上面配置図、車両搭載時配置位置イメージ図 ご参照)
3.ギア比(減速比)の最適化
小型化するために、高回転のモーターの開発を行いました。通常、モーターを小型化すると低トルクになってしまいますが、ギア比の最適化を行うことで、ドライブシャフトトルクを3120Nmまで高めました。
4. 自己循環式油冷モーターの開発
モーターに油冷方式を採用することにより小型化しながら連続定格出力100kWの高出力を実現しました。また、冷却油の循環システムを本製品内に組み込んだ自己循環式油冷モーターとすることで、車両側のレイアウトの自由度を高めました。

明電舎は自動車の電動化市場の拡大を見据え、本製品の出力ラインナップの充実化を図り、量産に向けてさらなる開発を進めていきます。また、電動車両向け製品の提供を通してCO2削減等の環境貢献も行ってまいります。


上面配置図

車両搭載時配置位置イメージ図

製品仕様※2

外観写真




明電舎電動車両システムWEB ページ


※1:コアに銅線を配置するための溝
※2:記載の仕様は広州国際モーターショー(2019年11月22日~12月1日)に出展時の製品の仕様です。

 

本件及び取材に関するお問い合わせ先

株式会社 明電舎  広報・IR部 広報課
電話 03-6420-8100