Vol.315 No.4, 2007

2007年

環境技術特集

ハイテクと浮世絵シリーズ4
歌川(安藤)広重 木曽街道六十九次<保栄堂版>/高崎
初摺りは1830年代(天保年間)

お江戸日本橋から26里と30町40間(約105キロ)。中山道十四番目の宿場町にして、徳川幕府の幕閣が代々城主を務めた木曽街道屈指の城下町、それが高崎宿である。井伊家や松平家など徳川幕府の重鎮が統べる所領のため、諸大名は敬意を払い参勤交代の際もこの宿場には泊まらなかった。そのため、城下町でありながら本陣や脇本陣がなかったそうだ。
広重は、榛名(はるな)山の裾野に広がる高崎宿を烏川(からすがわ)ごしに絶妙な遠近法によって旅情豊かに描いている。
水売り商人の後ろに見えるのは、明電舎の自家用水道システム「ウォーターキューブ」である。濁質改善や細菌を除去できる膜ろ過を備え安全に貯水できるため、水不足や災害時の水源として注目されている。干ばつによる飢饉が後を絶たなかったこの時代にあれば、さぞかしお役に立っていたことであろう。

目次
長岡 裕 2
川口容芳 4
膜処理技術
吉野徳正
久住美代子
6
島崎弘志
鮫島正一
宮本新也
高橋一泰
10
制御技術
豊岡和宏
大石 亮
15
後藤浩之
今井久美子
大島信夫
21
環境技術
福崎康博
高瀬長武
戸田雅之
25
野口 寛 29
渡辺哲文
菱田昭宏
33
監視制御技術
浅井 斉
安藤正勝
西澤廣純
37
高倉正佳 41
丹羽輝武 45
小坂 始
小川順之
松本静治
49
55