コア技術の発展と応用

現在に至る技術と事業展開

創業当時より、電気設計技術、回転機や発電機の修理、小型開閉器や電灯器具の製作を手掛けていましたが、その後、国産の三相誘導電動機を開発し、電動機や発電機、変圧器、開閉器の製造に事業拡大をしてきました。設備の監視制御装置や自動車試験装置なども手掛け、当社の主力製品となっています。近年ではこれらから派生して、架線計測装置やロープテスタ、移動電源車やAGVといった、社会課題の解決に寄与する製品・サービスの創出に受け継がれています。
明電舎の技術は電気設計技術、回転機技術をルーツとして、これら派生製品・サービスに必要な技術、例えば真空技術、材料焼成技術、電力変換技術、計測制御技術、ICT技術、画像解析技術などを開拓、獲得してきました。

コア技術

明電舎の事業領域である、電力インフラ、モビリティ、産業・電子、水インフラシステム、フィールドエンジニアリングの様々な製品・サービスを「研究開発本部」の技術領域、パワーエレクトロニクス、知能情報技術、材料技術、共通基盤技術が支えています。研究開発の取り組みや最新の当社技術についてご紹介します。

パワーエレクトロニクス

パワーエレクトロニクスは発電所や再生可能エネルギーで得られた電力を、人々の暮らしに役立つ形に変換する技術です。安定した電力供給に欠かせない変配電関連機器や、電池に蓄えられた電気エネルギーを電気自動車の動力に変換するEV駆動システムも、パワーエレクトロニクス技術によるものです。ここでは電力変換技術と、EV駆動システム設計技術の一例をご紹介します。

知能情報技術

知能情報技術では、人工知能(AI)を当社事業へ適用するための技術開発に取り組んでいます。設備を取り巻く様々な現象を人に代わってAIが学習し、新しい価値を生み出します。人口減少社会に対応するためのAI技術、車両走行試験を忠実に再現するドライブロボット制御技術、画像認識を活用した電車線設備のモニタリング技術をご紹介します。

材料技術

長時間、過酷な条件で扱われることの多い当社製品は、材料の特性に立ち返った製品開発が欠かせません。ここでは落雷などの異常電圧から設備を保護する避雷器や、高電圧を瞬時に遮断する真空遮断器を構成する材料技術をご紹介します。また、原子レベルの精密な成膜(ALD)を可能とする独自の常温成膜プロセス技術についてもご紹介します。

共通基盤技術

当社コア製品の信頼を支える共通基盤技術についてご紹介します。共通基盤技術は解析・CAEで設計を支援する「解析センター」 、種々の分析技術を活用し品質向上不具合未然防止に貢献する「分析センター」、重電製品の性能確認試験を行う「大電力試験所」が担っています。それぞれの概略についてご紹介します。