製品・サービス

NTTアノードエナジー・九州電力・三菱商事に系統用リチウムイオン電池システムを納入しました

2023年11月01日

株式会社明電舎(代表取締役 執行役員社長:井上 晃夫/東京都品川区、以下明電舎)は、NTT アノードエナジー株式会社(代表取締役社長:岸本 照之/東京都港区)、九州電力株式会社(代表取締役社長執行役員:池辺 和弘/福岡県福岡市中央区)、三菱商事株式会社(代表取締役 社長:中西 勝也/東京都千代田区)の3 社による共同事業の一環として、福岡県田川郡香春町の蓄電システム※1(出力1.4MW、蓄電容量4.2MWh) へ、電力系統の安定化に寄与する新型のリチウムイオン電池用交直変換装置(PCS、明電舎製)※2 とリチウムイオン電池(株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーション製)を納入しました。本設備は2023 年7 月より運用が開始されています。
 
3 社による共同事業は、出力制御されている再エネ電力の有効活用による脱炭素の推進および新たな調整力等の創出を目的としており、資源エネルギー庁の補助事業である令和3 年度補正予算「再生可能エネルギー導入加速化に向けた系統用蓄電池等導入支援事業」に採択されるなど、日本が推進するカーボンニュートラル実現に貢献する取り組みです。本設備は、太陽光発電の出力制御量低減や、各種電力市場での取引等でマルチユースする事業モデルの構築のための実証にも活用される予定です。

今回、明電舎が開発・納入した交直変換装置は、事業者が所有する外部システムとの連動の下で、需給調整市場のシステムに適応するための機能を実装しています。

明電舎は、交直変換装置及び蓄電システムの拡販を通じて、再生可能エネルギーの主電源化による脱炭素の実現と電力系統の安定化に寄与し、より豊かな未来社会の実現に貢献してまいります。

【設備外観】

福岡県田川郡香春町 に設置されたリチウムイオン電池システム

交直変換装置(PCS)の特長
  • 電力取引市場・出力制御対応で活躍する機能の充実 ~外部指令に基づく充放電に対応~
    需給調整市場での調整力として使用する場合に、外部の制御システムからの充放電指令に基づいて電池を充放電制御します。また、一次調整力の要件となるPCS 出力端の変動に対して充放電をする自端制御にも対応予定です。
  •  
  • 交直変換(PCS)部・制御部・受電部・連系変圧器(6.6kV)をワンパッケージで構成
    PCS 定格容量は0.7MVA~2.1MVA です。6.6kV 受変電部も一体となっており、蓄電所等の高圧配電線系統への接続が容易です。
  • 自立運転機能
    系統事故等による停電が発生しても、蓄電システムに蓄えた電気をBCP 負荷(保安用設備等)へ供給することが可能です。2.1MVA 迄並列自立運転することができます。
  • 仮想同期発電機機能
    インバータから、従来の同期発電機と同様の慣性力※3 及び同期化力※4 を供給することができます。
    電圧型(GFM:Grid Forming)方式を採用しており、交直変換装置のみで系統を構成して主電源として動作することが可能です。また、他の発電機等の電圧源との並列運転が可能です。本蓄電システムへ納入する交直変換装置と同型機へ仮想同期発電機機能を実装する開発は、2025 年度を予定しています。
明電舎のサービス

明電舎は、大型蓄電システム用PCS メーカとして1996 年から現在まで約140 サイトにおいて多種多様なメーカの蓄電池と組み合わせた豊富な運用実績があり、設計からメンテナンスまでトータルでのシステム提供の体制を整えています。

設備概要
交直変換装置(PCS) 装置容量 1.4MVA
交流部定格出力電圧 6.6kV
電池 種類 リチウムイオン電池 LEPS-2-14
容量 4.2MWh
寸法 W 2,350×L 9,400×H 2,800(㎜)
コンテナ数 2

  1. ※12023年7月19日 NTTアノードエナジー株式会社、九州電力株式会社、三菱商事株式会社プレスリリース
    「太陽光出力制御の低減に向けて福岡県田川郡香春町 で系統用蓄電池の運用を開始しました」
    NTTアノードエナジー株式会社 
    press20230719.pdf (ntt-ae.co.jp)
    九州電力株式会社 
    https://www.kyuden.co.jp/press_h230719-1.html
    三菱商事株式会社 
    https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2023/html/0000051658.html
  2. ※22023年3月13日 明電舎プレスリリース「リチウムイン電池用交直変換装置(PCS)の開発を完了
    https://www.meidensha.co.jp/news/news_03/news_03_01/1243080_10499.html
  3. ※3慣性力:電力系統が周波数を維持し続けようとする力。慣性力が大きい方が、電力系統で需給バランスが崩れた際に、周波数変動(変化量、変化速度)が小さくなる。
  4. ※4同期化力:同期発電機が並列運転している状態で同期状態を乱す系統擾乱があった場合などに、元の状態に戻そうとする復原力。

以上

本件及び取材に関するお問い合わせ先

株式会社 明電舎  
コーポレートコミュニケーション推進部  広報・IR課
電話 03-6420-8100