
ドキュメンタリー
アジアの経済発展に大きな役割を果たすタイ。
その成長の一翼を、日本に関わりの深い企業が担っていました。
タイ明電舎の歩み
1966年に明電グループ初の
海外現地法人として設立以降、
EPC※事業を通じて
この国の産業と共に成長してきました。
※EPC:設計(Engineering)・設備調達(Procurement)・建設(Construction)
Pornthewa Wanakhachornkrai
タイ明電舎
Director
タイ明電舎は、今年、タイで設立されてから60周年になります。都市鉄道、送電・配電システム、各種工場などの設計(Engineering)から設備調達(Procurement)、建設(Construction)までを一貫して手掛ける「EPC事業」を通じて、タイの産業界と共に成長してきました。
山田 康夫
タイ明電舎
General Manager
(発電プラント部)
タイ明電舎の強みのひとつは、「バイオマス発電プラント」の設計、施工、引き渡しまでをワンストップで実現できることです。バイオマス燃料は、その種類や供給される時期、場所によって特性が大きく変化するため、燃料ごとに最適な設計施工を行うためのノウハウの蓄積が非常に重要です。私たちは2003年に、当時タイ最大規模となるもみ殻バイオマス発電のEPCを手がけて以来、数多くのプロジェクトを通じて豊富なノウハウを培ってきました。
タイは世界有数の農業大国であり、米やサトウキビ、キャッサバなどが生産されています。これらの農作物を育てる過程で生まれる大量の農業廃棄物を、サステナブルな燃料として活用することでクリーンなエネルギーを生み出せます。
国の強みである農業 ― これを活かした発電プラントの建設に取り組んでいるのがタイ明電舎。例えば、タイ味の素社の工場では、もみ殻を利用したバイオマス発電プラントを手掛けました。
タイ味の素社の取り組み
工場と地域が支え合う、
農業国の強みを活かした循環型経済
Mr. Nirut Nuamkerd
タイ味の素社
Factory Manager
(カンペンペット工場)
味の素グループは、タイで60年以上に渡って事業を行ってきました。私たちは、タイの豊かでサステナブルな食生活、食文化を支えていきたいと考えています。周辺コミュニティーのサステナブルな成長を支援しています。
カンペンペット工場では、豊富な農産物資源を活かして「バイオサイクル」という考え方を実践しています。
うま味調味料「味の素®」は、工場近隣で育ったキャッサバなどの農作物を主原料にして製造されます。製造過程で生じる副生物は、農業資材として農家へ還元され、農業生産に利用されます。
この農業資材は、近隣の米農家にも使われており、そこで出た大量のもみ殻を、バイオマス発電の燃料として活用。このとき生じたもみ殻の灰もまた、土壌改良剤に生まれ変わります。
こうしたサイクルにより、工場と地域が支え合い、農業国の強みを活かした循環型経済が実現。
タイ明電舎は、この発電システムの設計から設備調達、建設までを一貫して手掛けています。



タイの豊かな農産物と、その副生物
― バイオマス発電の燃料となる資源
AJINOMOTO × MEIDEN ―
MULTI BIOMASS COGENERATION PROJECT
Mr. Chanin Thanathitipong
タイ味の素社
Engineering Manager
バイオサイクルを実現するために重要なのが、工場が継続的かつ安定的に稼働できることです。このため、私たちの工場では、発電の過程で生まれる熱を同時に有効活用できる「コジェネレーション」技術を採用しました。
谷川 和哉
タイ明電舎
Senior Manager
(プラント設計)
コジェネレーションシステムは、熱源から電力と熱を同時に生成し、供給するシステムです。このシステムを導入することによって、工場の生産に使用する蒸気を、100%バイオマス由来に切り替えることができました。我々が手掛けるコジェネレーションシステムは単なる設備ではなく、クライアントのビジネス戦略、環境責任、またタイの国家目標において、一緒に向き合っていくものだと考えています。
もみ殻を燃料としてボイラーで高圧蒸気をつくり、この高圧蒸気でタービンを動かすことで、工場稼働に必要な電力を発電。さらに、この過程で生まれる低圧蒸気も「味の素®」の生産に必要な熱エネルギーとして有効利用しています。
エネルギー効率を高めながら、環境負荷の低減にもつながる。タイ明電舎は、タイ味の素社 カンペンペット工場のもみ殻焚きバイオマス発電プラントおよびコジェネレーションシステムの設計から建設までを一貫して担っています。
コジェネレーションシステムは燃料によって異なるノウハウが必要になります。タイ明電舎は多くの実績を積み上げており、最適な設計・施工ができるのが強みです。
※この記事の内容は制作当時(2026年)の取材に基づくものです