走査型顕微鏡走査型振動電極装置 HV-1000
走査型振動電極装置(SVET:Scanning Vibrating Electrode Technique)は、微小電極を振動させながら、電解液中に置かれた金属試料の表面近傍を走査することによって、表面に発生している電位勾配を測定する装置です。電解質溶液の電気伝導度が既知ならば、オームの法則により電流密度に換算することができます。
SVETは、金属の局部腐食(孔食、隙間腐食、粒界腐食)、高張力鋼の腐食疲労亀裂,塗膜下腐食の検出に使用することができます。
特長
- 空間分解能が高く、ミクロな観点で高感度に電気化学的変化をin situで観察できます。
- 広い試料表面を短時間に全面観察する高速動作機能と詳細に局部観察するステップ動作機能を備えています。
- ポテンショガルバノスタットを有しているので,試料に電位,電流規制することが可能です。
- オプションで電極とサンプルの位置合わせに有用なCCDカメラを搭載可能です。
仕様一覧
項 目 | 主な仕様 |
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SVET基本 |
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ポテンショスタット |
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自動直動XY軸ステージ |
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Z昇降ステージ |
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パソコン |
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制御・解析ソフト |
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CCDカメラ(オプション) |
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測定例
亜鉛鋼板上にカッターで傷をつけた周辺部の電位勾配測定
カッターを用いて亜鉛めっき鋼板にカットを付与します。図1に示すように、アノードサイトでは亜鉛が溶出し、カソードサイトでは酸素が還元されます。腐食電流がアノードサイトからカソードサイトに向かって流れ、アノードサイトとカソードサイト周辺に電位勾配が生じます。走査型振動電極装置(HV-1000)により、カッターで傷をつけた亜鉛めっき鋼板の測定を行いました。図2に7 mm角と2 mm角の電位勾配イメージを示します。図2に示すように、HV-1000により亜鉛めっき鋼板のアノードサイト(赤い領域)とカソードサイト(青い領域)の電位勾配イメージング測定ができました。
図1 亜鉛めっき鋼板の腐食電流イメージ
図2 カッターで傷をつけた亜鉛めっき鋼板の電位勾配イメージ
(左)走査範囲:7mm × 7mm(右)走査範囲:2mm × 2mm
オプション
品 名 | 型 式 |
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CCDカメラ | ― |
SVET用標準セル | ― |
電流密度校正用セル | ― |
3Dグラフ作成ソフト | Origin 2017 |
白金微小電極 Φ20 μm | HX-V3 |
白金微小電極 Φ10 μm | HX-V4 |
白金微小電極 Φ 5 μm | HX-V5 |
SVET用標準セル
白金微小電極
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