電気化学計測システムマルチ電気化学計測システム HZ-Proシリーズ
マルチ電気化学計測システムHZ-Proは、電池評価試験・腐食試験・分析試験などあらゆる電気化学測定を対象とした、モジュール型マルチチャンネル電気化学測定システムです。
特長
- 最大12枚のポテンショスタットボードやブースタボードを搭載可能 (HZ-Pro S12の場合)
- インピーダンス測定範囲を10 MHzまで拡張(世界最高水準)
- 5 Aブースタオプションボードは並列接続が可能(最大55 A)
- 参照極、作用極、対極電位を同時測定(EISも同時測定)
- DI / DOやPC間通信機能(HoPath)による外部通信に対応
- 恒温槽による温度制御を自動化(恒温槽連動機能)
製品ラインナップ
ベースユニット
HZ-Proでは、用途や拡張性に応じて選択できるように、搭載できるスロット数の異なる3種類のシャシーを提供しています。
仕様
項目 | 仕様 | ||
---|---|---|---|
型式 |
HZ-Pro S2A |
HZ-Pro S4 |
HZ-Pro S12 |
チャンネルスロット数 |
2 |
4 |
12 |
外形寸法※1W × H × D (mm) |
370 × 150 × 480 |
256 × 350 × 500 |
440 × 350 × 500 |
最大消費電力※2 |
250 VA |
600 VA |
1700 VA※3 |
重量※4 |
< 5.8 kg |
< 9.5 kg |
< 14.3 kg |
電源 |
φ1 AC100 V ~ 240 V ± 10 % 50/60 Hz |
- ※1突起部含まず
- ※2各チャンネルを最大出力で使用した場合の消費電力。各ボードの消費電流 シャシー(CPUボード):0.85 A、PGSボード:0.45 A、5Aボード:1.3A
(例)4スロットシャシーにPGSボード2枚、5 Aボード2枚の場合
消費電流:0.85 A + (0.45 A × 2) + (1.30 A × 2) = 4.35 A
消費電力:100 V × 4.35 A = 435 VA - ※35Aボードを7枚以上搭載する際は200 V用の電源改造が必要
- ※4ボード未実装時
ポテンショスタット/ガルバノスタットボード・セルケーブル
ポテンショスタット・ガルバノスタットボードを追加することで、測定チャンネルを拡張することができます。また、ライセンスを追加することでFRA機能(1 MHz / 10 MHz)が使用可能になります。
・10 MHz用ポテンショスタット/ガルバノスタットボード
・1MHz用ポテンショスタット/ガルバノスタットボード
仕様
項目 | 仕様 | |
---|---|---|
型式 |
HZA-PGS111 |
HZA-PGS101A |
最大出力電圧 |
±12 V |
|
最大出力電流 |
±500 mA |
|
制御電圧 |
±10 V |
|
最小制御電圧分解能 |
160 nV |
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電流制御分解能 |
レンジの0.004 % |
|
電圧制御確度 |
設定値の±0.03 % ± 1 mV |
|
電流制御確度 |
500 mA ~ 5 μAレンジ:設定値の±0.03 % ± レンジの0.08 % |
|
電圧制御応答速度※3 |
2 μA |
|
電圧制御応答速度※3 |
2 μA |
|
電圧検出レンジ |
±10 V、±2.5 V、AUTO |
|
電圧検出確度 |
読み値の±0.03 % ± 1 mV |
|
入力バイアス電流 |
< 10 pA |
|
入力インピーダンス |
> 1 TΩ |
|
電流検出レンジ |
±500 mA ~ ±50 nA(8レンジ)、AUTO |
|
電流検出確度 |
500 mA ~ 5 μAレンジ:読取値の±0.03 % ± レンジの0.08 % |
|
インピーダンス(オプション)測定周波数範囲 |
10 μHz ~ 10 MHz |
10 μHz ~ 1 MHz |
AUX |
外部アナログ制御入力、トリガIO × 2、アナログ入力 × 2、アナログ記録出力(V、I)、停止入力、ハードウェアエラー出力 |
|
重量 |
< 0.7 kg |
ブースター
ブースタボードを追加することで、仕様を拡張することができます。ブースタボードは並列接続が可能で、最大55 Aまで増設できます。
また、外部ブースタ(±3 V / 100 Aブースタもしくは6 V / 100 Aブースタ)の接続も可能です。
・5Aブースタボード
・外部ブースタ
仕様
項目 | 仕様 | ||
---|---|---|---|
型式 |
HZA1005 |
HZAP0312 |
HZAP0612 |
最大出力電圧 |
±10 V |
±3 V |
-0.1 V ~ +6 V |
最大出力電流 |
±5 A |
±100 A |
|
電流レンジ |
±5 A※5、±500 mA |
±100 A |
|
電流制御確度 |
レンジの±0.2 % |
レンジの±0.3 % |
|
電流検出確度 |
レンジの±0.2 % |
レンジの±0.3 % |
|
電流制御応答速度 |
≒300 μs※6 |
≒600 μs※7 |
|
外形寸法W × H × D (mm) |
ベースユニットに挿入 |
440 × 350 × 500 |
|
最大消費電力 |
1枚当たり130 VA |
1800 VA |
|
重量 |
< 1.2 kg |
< 30 kg |
|
電源 |
ベースユニットから供給 |
φ1 AC200 V ~ 240 V ± 10 % 50/60Hz |
- ※5レンジ × 並列数 = 実際の電流レンジ
- ※6制御値5 A、100 mΩ負荷時
- ※7制御値100 A、1 mΩ負荷時
アプリケーションソフト
・直観的な操作で自由な測定条件、お客様独自の動作条件を組むことができます。
・マルチグラフにより複数のグラフを同時に表示(最大9)することができます。
・簡単操作で測定データをCSVファイルに変換することができます。
・言語(日本語、英語をサポート)の切り替えが可能です。
測定法
項目 | 測定法 |
---|---|
基本測定 |
HOCP(OCV)、CA、CC、CP、CV、LSV、BE、IR、インピーダンス測定※8、 電位パルス、電流パルス、電位ファンクション※9、電流ファンクション※9 |
充放電測定 |
CCモード、CCCVモード、CPモード、CCCPモード、CRモード(放電のみ)、GITT |
腐食測定 |
REST電位、孔食電位、TAFEL、保護電位、無抵抗電流計、再活性化率、アノード分極、腐食すきま再不動態化電位 |
分析 |
NPV、DPV、SWV、LSSV※10、DPSV※10、SWSV※10 |
その他 |
フラットバンドポテンシャル※8、任意波形※11 |
- ※8FRAオプション追加により測定可能
- ※9ステップとスィープの組合せが可能です
- ※10ストリッピングボルタンメトリー
- ※11電位と電流制御の混在が可能です。ただし、ステップ切り替え時間が付随します。
解析法
項目 | 解析法 |
---|---|
ポイントデータ |
任意ポイント、座標指定、開放電位、測定開始電位、液抵抗 |
電池・キャパシタ |
直流内部抵抗、短絡電流(鉛電池)、キャパシタ静電容量(直線近似、電力換算)、交線内部抵抗 |
CV解析 |
ピーク認識、クーロン値、E1/2 |
波形解析 |
最大値/最小値、平均値、積分、測長、半波電位 |
腐食解析 |
孔食電位、再活性化率 |
物性評価 |
フラットバンド電位 |
その他機能 |
補助線描画(2点間、直線近似、水平線、垂線、二等分線)、波形処理(移動平均、直流除去、差分、平行移動)、データダンプ、しおり、ユーザー定義プロットタイプ、拡大表示、ほか |
測定例
電池
マルチ電気化学計測システムHZ-Proは様々な蓄電デバイスとその材料の研究・開発に適しています。
(全固体電池、燃料電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、Ni-MH電池、Ni-Cd電池、鉛蓄電池、レドックスフロー電池、空気電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等)
また、充電時や放電時の任意のタイミングで交流インピーダンス測定も可能です。(FRA付きPGSボードの場合)
さらに、DI / DO機能により燃料電池、レドックスフロー電池等の制御システムと連動、制御が可能です。
腐食
腐食測定のプログラムは8種類の測定項目を標準搭載しています。
PITTING(JIS G 0577:孔食電位測定)、AP(JIS G 0579:アノード分極曲線測定)、EPR(JIS G 0580:再活性化率測定)、ECREV(JIS G 0592:腐食すきま再不動態化電位測定)はJISに準拠したプログラムです。
また、無抵抗電流計も標準装備しているので、異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)測定が可能です。
電気化学測定・分析
マルチ電気化学計測システムHZ-Proは多種多彩な測定プログラムを有しており、分析やセンサ、めっき、電解、陽極酸化など様々な測定に適しています。
CA(クロノアンペロメトリー)、CV(サイクリックボルタンメトリー)などの基本的な14種類の電気化学測定プログラムを搭載しています。
また、分析測定のプログラムとしてDPV(微分パルスボルタンメトリー)など3種類のパルス測定やLSSV(リニアスイープストリッピングボルタンメトリー)などの3種類のストリッピングボルタンメトリー測定、および物性評価のプログラムとしてFBP(フラットバンド電位)を搭載しています。
Technical Note
In-situ交流インピーダンス解析機能
電気化学インピーダンス分光法では、低周波数帯の計測に時間がかかり、測定中にサンプル状態が変わってしまう可能性があります。
In-situ交流インピーダンス解析機能は、連続した複数データから、時間補間を行うことで瞬時の特性解析を行うことが可能です。
HZ-Proを独自システムで制御可能にする 「HoPath」※12
お客様のシステムから、HZ-Proの制御が可能となります。任意のタイミングで測定開始や、停止を通知することで、HZ-Proを組み込んだ独自のシステムを構築することができます。
- ※12オプション機能
システム構成例(燃料電池評価システム)
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- 電気化学営業部