叶える人、叶える技術。明電舎

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ここに掲載のコンテンツは、日本経済新聞 電子版で
2018年2月~2018年3月まで掲載した広告特集「叶える人、叶える技術。明電舎」の転載です

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2018年2月~2018年3月まで掲載した広告特集「叶える人、叶える技術。明電舎」の転載です

加速する自動車新時代の課題解決に向き合う/明電舎

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Stage3  自動車新時代の原動力「EV駆動システム」  加速する自動車の電動化駆動システムのパイオニアとして支える

ガソリン車の誕生から130年間、動力源の基本構造が変わらなかった自動車にパラダイムシフトが起ころうとしている。地球温暖化などの社会課題を背景に存在感を高めつつあるのは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車。エンジンに取って代わるのはモーターやインバータで構成される駆動システム。いち早く取り組んできたのが明電舎だ。普及の見通しが立たない黎明(れいめい)期から絶え間なく続けた研究開発には、自動車新時代の課題解決に向き合う人と組織の熱意が映し出される。

2年に1度の自動車の祭典、東京モーターショー。2017年秋の開催で見られた傾向の一つが電動化だった。三菱自動車のSUV(多目的車)型PHV、アウトランダーPHEVもその一つ。モーターやインバータで構成する駆動システムを明電舎が供給する。三菱自動車は2009年に世界初の量産型EV「i-MiEV(アイ・ミーブ)」を発売したが、この駆動システムも明電舎製だ。三菱自動車は電動車の先駆者だが、明電舎は駆動システムのパイオニアとして電動車市場の立ち上がりを支えてきた。

  • 中野 義則
    (株)明電舎 モータドライブ事業部
    インバータ技術部
    中野 義則
  • 加計 浩明
    (株)明電舎 モータドライブ事業部
    インバータ技術部 EV開発課
    加計 浩明

駆動システムのうち、インバータの開発・生産を担うのは静岡県沼津市の沼津事業所だ。1990年の入社以来一貫して事業に携わってきたのは、モータドライブ事業部インバータ技術部長の中野義則。中野に解説してもらいながらアウトランダーPHEVを試乗した。「アクセルを踏むとスムーズに強いトルク(回転力)が出ます。これがエンジンにはない加速感につながります」(中野)。確かに驚くほど静粛かつスムーズな加速だ。

国際エネルギー機関(IEA)によると世界のEV、PHVの普及台数は2016年時点で200万台と自動車全体の0.2%にすぎない。ただ、環境意識の高まりや各国の規制強化で2025年には最大7000万台になると予測される。フランスやイギリスはガソリン車とディーゼル車の販売を将来的に禁じる方針を打ち出し、最大市場の中国も規制を強化する。EV開発課長の加計浩明は「環境面の課題と向き合うには電動化は避けて通れません」とビジネスを通じた社会課題の解決に思いをはせる。

電動車の心臓部である明電舎の駆動システム 電動車の心臓部である明電舎の駆動システム
電動車の心臓部である明電舎の駆動システム

絶え間なく続く研究開発
量産開始から16年で15倍の
駆動システム小型化を目標に

明電舎が電動車普及の歴史とともに歩み始めたきっかけは1990年、産官学のEVプロジェクトに参画したことだ。創業以来培ってきたモーターやインバータの技術を生かし、「電気のプロ」としてプロジェクトを支えた。

その後も完成車メーカーや大学と開発を続けた。中野は「駆動システムの小型化や高回転にも耐えうる強度の確保、インバータの耐振動性など開発項目は多岐にわたりました」と振り返る。初代アイ・ミーブ(2009年)に搭載したインバータは90年代初頭の50%に小型化。さらに現行のアイ・ミーブでは初代の半分以下の小型化を達成した。駆動システムの小型化は車両の軽量化や車内空間の拡張につながり、ガソリン車の燃費にあたる「電費」も向上する。航続距離に直結する電費においては、バッテリーの性能が注目されがちだが、駆動システムの進化による貢献も大きい。

駆動システムは小型で高出力であるほど効率が良いため、単位体積あたりの出力を示す「出力密度」で性能を比較する。2013年に発売したアウトランダーPHEVが搭載するシステムの出力密度は、初代アイ・ミーブの2.5倍。絶え間なく続けた研究開発の成果だ。

駆動システムの進化は今後も続く。加計は「インバータに搭載する電力制御用半導体に炭化ケイ素(SiC)を採用することがブレークスルーになります」と言う。SiCは耐熱性や耐電圧性に優れ電力の損失が少なく、システムの大幅な小型化も期待できる。加計は「デバイスの進化と、モーターとインバータの一体化により、2025年には出力密度を09年との比較で15倍に引き上げることを目指します」と意気込みを語る。2009年の駆動システム量産開始から、わずか16年で飛躍的に効率化することになる。

2009年、量産開始当時の初代アイ・ミーブ用インバータ(左)とモーター(右)
2009年、量産開始当時の初代アイ・ミーブ用
インバータ(左)とモーター(右)
2009年の量産開始からの飛躍的な小型化を目指す
2009年の量産開始からの飛躍的な小型化を目指す
性能向上に欠かせない研究開発

乗り越えた事業縮小の危機
普及期で始まる
新たなチャレンジ

順風満帆に見える明電舎の電動車ビジネスだが、実は苦難の連続だった。電動車自体の普及が思ったようには進まず、駆動システムの量産には至らなかった。追い打ちをかけたのが2000年の東海豪雨だった。名古屋に構えていた拠点は設備が水没して沼津に移転。利益が出ていないこともあり体制は大幅に縮小し、EV事業に携わる社員が2人だけになった時期もあった。

それでもあきらめずに開発を続けた。中野は「苦しい時期もありましたが、そんな時に奔走してくれた多くの先輩、仲間たちの力があって今があるんです」と振り返る。販売当初から駆動システムを供給しているアウトランダーPHEVは既に累計14万台を販売しているが、成功の陰には苦しみながらも電動車市場の開花を信じて取り組んだ研究開発の継続があった。

苦難を乗り越えて迎えた普及期だが、新たな課題も浮上している。EV営業部長の林朗は「市場規模が小さかった頃は参入企業も少なかったのですが、これからは多くの企業が競合になります」と語る。「お客様と社会に貢献できるより良い製品の供給を続けるためにも、営業・技術の両面でより一層の努力が必要です」と表情を引き締める。

林 朗
(株)明電舎
モータドライブ事業部 EV営業部
林 朗

まとめ

今後は中国や欧州など海外の完成車メーカーとの取引も拡大していく。性能面でもコスト面でも一段と競争力を上げていくことが求められるが、中野は「コスト競争力をつけることは、もちろんビジネスとして必要な取り組みです。ただ、結果的に電動車の価格が下がり、消費者が購入する際の壁が低くなれば電動車の普及と同時に、環境問題など、社会の課題解決にもつながるのです」と話す。駆動システムの進化を通じてEVシフトと社会課題の解決に貢献する――。明電舎には電動車の時代を創る一員としての役割が期待されている。

三菱自動車工業(株)OUTLANDER PHEV用モータ・インバータ導入事例

三菱自動車工業(株)OUTLANDER PHEV用モータ・インバータ導入事例

用語解説

電動車用駆動システム
電動車の駆動システムにはモーターとインバータが使われる。電池(電源)から駆動源のモーターへ供給される電気を最適な量にコントロールし、モーターの出力をきめ細かく制御することでその稼働効率を最大化するのがインバータの役目。モーターのトルクや回転数を制御することにより走行性能や乗り心地を大きく左右するため、インバータは電動車のモーター性能を最大限引き出すためのキーデバイスの一つとされる。
※敬称略