6.水力発電の新たな可能性を引き出せ。

日本は資源の乏しい国。その多くを輸入に頼っています。しかし、輸入に頼らなくても身近で豊富に使える資源がこの日本にはあります。それは「水」です。日本の年間降水量はおよそ1,700mm。これは世界平均の約2倍に相当します。年間を通して降る大量の雨、急峻な山々、そしてそれらが生み出す多くの河川。列島を縦横に流れる「水」という純国産のエネルギーを用いて、日本では明治時代から水力発電を行ってきました。ダムで河川を堰き止め、ためた水を放流する際に発生する力で水車(タービン)を回して発電する水力発電は、大規模な設備に見合った発電力で日本の高度経済成長を支えました。しかし、従来の大規模水力発電でも、豊富な水資源の全てを有効に活用することはできませんでした。例えば、一般河川や農業用水、既存ダムの維持放流や工業用水など、エネルギーとして使われることなく流れてしまう水は日本、ひいては世界中に存在します。そして、これまで利用されずにいた水のポテンシャルを引き出すカギになるのが「小水力発電」です。従来の水力発電と比較すると、規模は小さく発電量も少ないですが、その地域や環境に見合った量の電力を、効率よく安定して供給することができます。これまで使われることのなかった水の力を電気の力に変えられる、いわば新しい可能性を秘めた発電方式なのです。明電舎は、この小水力発電を通して日本、そして世界の電力インフラ構築に貢献していきます。

1.宮城県 鳴子ダム(国土交通省所管)

・かんがい用水を利用した小水力発電

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かんがい用水として、常時放流されている水を利用して発電する。これまで未利用だった水のエネルギーを有効活用することが可能に。


・安全を守るエネルギーに。

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地上約15mにある発電機室にクレーンを使って水車と発電機を搬入。災害時にも電力供給を維持してダムの管理機能を保ち設備や流域の安全を守る。

2.北海道 鹿ノ子ダム(国土交通省所管)

・水のチカラを余すことなく利用

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水道用水の供給等を目的に放流されている水を発電に利用する。オホーツク海に注ぐ水の循環を妨げることなく環境に優しいエネルギーを生む。


・30年の運用を経て、設備更新で更に効率的に

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約30年間運用されたクロスフロー水車(写真左)を、横軸フランシス水車(写真右)に更新した。これにより年間発電量が増加した。

3.富山県 早月川沿岸第一発電所

・作物と電気を生む農業用水

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農業用水の豊富な水量と、約22メートルの落差が生み出す力を利用して発電する。農業用水が、農作物だけでなく電力を育んでいる。


・年間で900世帯以上の電力量を発電

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発電機(写真左)と制御盤(写真右)。発電した電気の売電利益を水門やポンプ等の維持に充てる。時期により変化する流量に合わせ効率よく発電する。

4.山形発電 南舘発電所

・水力ESCOで持続可能な電力供給を目指す

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再生エネルギー固定買取価格制度(FIT)に合わせ設備更新を水力ESCOで実施。売電利益で発電所を維持し、安定的で持続可能な発電に取り組む。

*水力ESCO:設備更新にかかる建設費や事業者の利益などを、FIT化更新によって得た売電利益で賄う事業で初期投資0を実現


・発電後も環境にやさしい水資源

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約6kmの導水路で水を引き、86mの落差を利用して約1370kWを発電する。発電に利用された水は、農業用水や水路維持のために利用される。

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