お知らせ第三者意見

明電グループ環境報告への意見は以下の通りです。

各種のスローガンや目標を掲げて多様な観点毎に真摯に取り組んでいる様子から、地球環境問題や豊かな社会づくりに対する意欲的な企業姿勢を感じました。レポートが盛りだくさんで読み応えのある分、はじめて手にした人には分かりにくさが感じられ、理念や目標をシンプルな構造に整理する必要があると思います。掲載されている数値や概念等の情報量も多いので、範例の絞込みなど、思い切ってスリムにする方が読みやすくなると思います。
明電舎は本業である製品やサービス自体が、環境やエネルギーのインフラ整備などの社会貢献に直結したものであることが、強みであると思います。発電機などで温室効果ガスを使わない製品や電気自動車用の小型軽量化を実現した駆動ユニット、さらに太陽光発電など数々の環境配慮型製品の開発で、大きなCO2排出削減に繋がる輝かしい成果を上げています。CO2排出削減量をメジャーにして環境貢献度を表現するのは妥当性があり肯けることです。
明電グループが一丸となって取り組む戦略的な環境経営は、組織的で多岐の項目にわたり詳細に記述され、大きな成果を上げていることが分かります。反面、細かな数値の意味や成果の内容は部外者や一般市民には分かりにくいものもあるので、図式化するなど直感的に理解される表現が求められます。事業活動での環境負荷を低減化する取り組みは、生産が好調であったのにもかかわらず、1.3%の改善ができたことは高く評価できることだと思います。
さて、環境省の推進している生物多様性の保全は、多くの国々で地球温暖化と共に重要な課題とされていて、ほとんどの企業の環境貢献の目標に加えられていますが、概念が抽象的であり取り組むべき具体的な目標や手法を見いだせずにいる企業が多く見受けられます。その点、明電舎の2017年目標は的確で、「生物多様性に配慮された事業所の緑地活用」と掲げられています。事業所の多くはかつて氾濫原や後背湿地などの地域に展開する生物多様性の拠点を広大に開発したものです。周辺環境も都市化が進行し、田園的な景観も徐々に失われ、水系も人工的な護岸で固められています。かつてはメダカやトノサマガエルをはじめ、トンボ類、蛍、ゲンゴロウ類などの生き物が多い里地でしたが、現状は壊滅的です。工場内外の水辺は外来生物のカダヤシやザリガニ、ウシガエルなどに占拠されています。それらを駆除し自然植生の導入など環境改善すれば、工場敷地は適度な隔離作用によって、昔懐かしい生物や景観を持つ水辺や緑地が再生され、地域の生物多様性保全に寄与できます。地域の豊かな自然を聖域として事業所内に担保できるだけでなく、そこが源となって地域の自然度を上げる貢献も期待されます。

山田辰美教授

常葉大学 社会環境学部
社会環境学科 山田辰美 教授
(研究分野 ビオトープ)

<略歴>
1979年3月 静岡大学理学部生物学科 卒業
1983年4月 常葉短期大学 講師
1996年4月 静岡大学教育学部・農学部 非常勤講師
2000年4月 常葉大学環境防災学部 助教授
2005年4月 常葉大学環境防災学部 教授(現在に至る)
大学教授の他、SBSラジオ「山田辰美の土曜はゴキゲン」
パーソナリティ(2005年度より)、富士山ネットワーク副会長
2007年度より)等、幅広くご活躍されています。

第三者意見を受けて

山田先生には、当社の環境活動について貴重なご意見を賜り御礼申し上げます。
明電舎の本業である、製品やサービスによるエネルギー面でのインフラ整備につきましては、更に推進してゆきCO2削減など社会への環境貢献を拡大すべく活動を行ってまいります。
当社事業所では、これまで生産やバリューチェーンの環境負荷低減を中心に活動してまいりましたが、緑地活用について今回有用なご意見をいただきました。今後は、生産活動のみならず、新たな視点での環境負荷低減、環境貢献の拡大に取り組み、その活動内容についても分かりやすく公開してまいります。 

生産統括本部 環境戦略部